今回はガンプラ初心者向けの最後です。
前編後編の2部構成の予定でしたが、3部構成にしました。
後編だけでは、長ったらしくなりそうだったので・・・・。
前編では、ガンプラの種類や選び方を扱いました。
今回の中編では、HG ガンダムエアリアルを組み立てるところまでを扱います。
紹介していくことはどんなキットでも使えることと思うので、再現性はあるはずです。
作成するキット
今回は最新キットである、HG ガンダムエアリアルを作ってみます。
開けてみると、大きめのランナーが4枚、説明書1部。
いかにもHGという、コンパクトな内容です。
今回は、塗装とかはしないにしても。
ちょっとは手を加えて、初心者+αくらいのものを作る!のを最終目標とします。
閑話休題:プラモ用語
聞き馴染みのない言葉が出てくることになるので、簡単に説明だけ。
ランナー:複数のパーツが枠でつながっているもの(↑写真の白やグレーでまとまっている状態のもの)。
ゲート:ランナーとパーツを繋げている枝。プラスチックなので、ニッパーなどで圧をかけると白化し、いわゆる「ゲート跡」になる。
パーティングライン:ランナーは2つの金型を合わせることで、いわば鯛焼きのように作られてる。2つの金型を合わせている以上、つなぎ目が生じてしまい、表に出てくると「パーティングライン」と呼ばれる。
ダボ穴:パーツ組立時に、片方の穴に、もう片方の出っ張りなどをはめ込む箇所。
推奨道具
いざガンプラを買ったとしても、その次に必要なのが道具。
究極的には、家にあるハサミやニッパーだけで作れます。
私も初めてガンプラを作ったときは、タミヤの安いニッパーだけ買って、何も意識せずに造りました。
ただ、少し奮発してもらえれば、簡単にクオリティーを上げることができます。
今回は成型色仕上げ(塗装なし)なので、切断面の処理(ゲート処理)に特化して2アイテム紹介。
アルティメットニッパー
まずは定番アイテムの5000円超えのニッパー 「アルティメットニッパー」。
自分も最初はかなり買うのに悩みましたが、友人が強く勧めてくるので、仕方無しで購入。
使い始めて、もっと早く買っとけばと後悔。
圧倒的切れ味で、パーツをランナーから切り取った際の切り口(ゲート跡)が本当に薄っすら。
切った途端から及第点に近いくらいの点数を出してくれるので、そのままでもいいし、ゲート処理をするにしても短時間で済むため、全体的な効率化を図れます。
今や片刃ニッパーはもうちょっとお手頃な価格のものもあったりしますが、これが原点にして頂点な気がしてます。
イニシャルコストは高いですが、十分なパフォーマンスを長期間出してくれ、十分に減価償却もできる、素晴らしい商品です。
マイクロセラブレード
アルティメットニッパーでもゲート処理問題は大方片付きますが、それでも気になる方向け。
初心者向けの記事・動画ではデザインナイフがよく紹介されてますが。
デザインナイフは扱いが難しく、私自身 よくパーツをえぐったりしていました。
ゲートを処理するつもりが、より酷い状況にすることも多々。
そこで紹介したいのが、このマイクロセラブレード。
デザインナイフの刃がセラミックになったものですが、金属の刃でない分、切削力が程よい感じに。
このおかげで、表面を撫でるように使うだけで、安全かつ適切なゲート処理ができます。
神ヤス
ただ、どうしてもヤスリなどを使わないといけない場合もあったりで、その場合は神ヤスを使用します。
神ヤスはスポンジに布ヤスリを合体させたもので、程よい弾力・耐水性を備えた、使いやすいヤスリです。
小さな数字(粗)から大きい数字(細)まで順番にやるのが理想ですが。
個人的には400番と600番があれば、大抵なんとかなります。
パーツの切り出し
キットと道具が揃ったら、組み上げていくんですが。
普通は「説明書見ながら、必要なパーツを順番に切って、組む」と思います。
組むだけならこれでいいんですが、いろいろと手を加えていくのであれば、「先に全パーツを切り出していく」やり方をオススメします。
理由は↓の作業を見ていけばわかります。
まずランナーからパーツを切り出します。
*ランナーからの切り出しは、安いニッパーでOKです(私はタミヤのゲート用の薄刃ニッパーを使ってます。)アルティメットニッパーでは刃こぼれする可能性があります。
パーツの切り出しにあたっては、パーツぎりぎりを切るのではなく、少しランナー部分を残すように切り出します。
同じようにランナーのパーツを切り出し。
ランナーごとに分けて管理。
*このプラモ向上委員会の仕分けトレイは超おすすめです!
続いて、使うのがアルティメットニッパー。
アルティメットニッパーをパーツとランナー部の境界に押し当てて、ランナー部分を完全に除去。
これを各ランナー毎に行っていきます。
これがいわゆる「二度切り」の工程になります。
二度切りをする理由としては、ゲートにかかる負荷を最小限にするためです。
ランナーから、いきなりピッタリで切ろうとすると、切断時の負荷が大きくかかり、白化する可能性が極めて高くなります。
白化してしまうと、その処理(研磨・塗装)などが必要となるため、なるだけそのリスクを回避するために二度切りを行います。
全パーツを先に処理する理由としては、
● 説明書通りだと各部位・箇所ごとに道具・作業の転換が必要となり非効率。
● 先に切り出したほうが組立に専念でき、組み上がる工程を楽しめる。
HGくらいであれば迷ったり、紛失することも少ないと思うので、試しにやってみてください。
組立
正直、あとは説明書通りに組み上げるだけなので、特に注意点はないです。
強いて言うなら、ダボ穴の加工くらいでしょうか。
↓のように、片方のパーツにある穴部に、別パーツの出っ張りを差し込むような箇所があります。
このような穴箇所にニッパーで切れ目を入れておきます。
こういうダボ穴の処理をする理由としては、バラしやすくするためです。
この手の構造になっているところは、しっかりとハマって、かつ抜けにくい箇所が多いです。
塗装するときはもちろん、何かしら加工などで分解する予定があるときにしておくと。
後々の分解作業が楽になったり、変に傷つけずに済むようになります。
完成
そんなこんなで素組み完成(デカールやクリアパーツは未取付)
素組でも十分にカッコいいんですが、やはりHGはディテールが少ないため。
どうしてものっぺりとした感じになるんですよね。
加えて、二度切りしているとはいえ、特にカラーの箇所では、ゲート跡が気になるところ(↓かかと部)。
後編では、このあたりを誤魔化して、簡単に見栄えをよくするテクニックを紹介したいと思います。
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